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朝ドラの思い出書き散らし

けさ、ふとききたくなり、GReeeeNの「星影のエール」を再生しました。いい曲です。2020年上半期に放送された朝の連続テレビ小説「エール」の主題歌でした。

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ということで唐突だが個人的に好きな朝ドラ3選を発表する‼️心して読むがいい‼️

そしてNHKオンデマンドの見放題プランに加入し、浴びるように見るがいい‼️

 

①2011年度下半期 第85作 「カーネーション

リアルタイムで見たのは小3のころでした。当時もかなり強く感情を揺さぶられ、印象に残っていたのですが、それ以上に、中盤、第二次世界大戦中のつらすぎる展開に母親がダウンしていた印象の方が強いです。おかあさん〜〜〜

ともあれ、それから6年以上が経ち、高校に入学した頃。NHKが新たな朝ドラ再放送枠を設け、その第1弾として「カーネーション」の再放送が始まりました。

明確に自我をもってカーネーションを見たのはこれが初めてだったので、主にこの時の記憶を頼りに書こうと思います。

 

以下、強めに印象に残っている点をふたつ。

世間一般的にも散々評価されているシーンではありますが、濱田マリさん演じる「安岡のおばちゃん」がヒロイン・糸子に「あんたの強さは毒や」と言い放ち絶縁を言い渡す回。

ひとの心の強さ弱さには個人差があること、それは努力だけではどうにもならないこと、弱いからといって必ずしも強くなるべきではないこと。そして、強いひとは、その気がなくても弱いひとを傷つけるものだということ(とうぜん逆もあるだろうし、強いひとが強いひとを傷つけることも、弱いひとが弱いひとを傷つけることもあると思いますけれど)。

そういう当たり前の事実が激しい悲劇性をもって襲いかかる、凄まじいシーンでした。

そして、個人的にはやはり、ヒロイン・糸子と、その父・善作の関係が強く印象に残ります。小林薫さんの演じる、優しいだけでもなく、かといって横暴なだけでもなく、正しくないところもたくさんあって、不完全で、でも強い愛情を残してゆっくりと去っていく父親像は、父親として決して100点満点ではないけれど、とても秀逸なものでした。

 

②2013年度下半期 第89作 「ごちそうさん

いまや因縁の作品となってしまった本作ですが、個人的には、朝ドラというものの役割・意義を考えると、ぶっちぎりの最高傑作だったのではないかと思います。

まず、テーマの一貫性。15分ごとの細切れに放送され、じゅうぶんに没入して視聴することのかなわない朝ドラにとって、これは大事なことです。

この物語の真ん中には、必ず食べ物がある。多少目を離して戻ってきても、食べ物の話をしているということがわかる。そしてすんなりと物語の世界に復帰する事ができる。これはとても大事なことです。

そして、食べ物への飽くなき愛情。この作品における食べ物は、ただの消え物ーー小道具ではありません。れっきとした主題なのです。

心をむすびつけるスコッチエッグ、中学野球のトーナメントに書き込まれたカツレツ、疑心暗鬼を解くカレーうどん、空襲で炭になった鶏鍋、敗戦の象徴として描かれるローストビーフ…たくさんの食べ物の存在が、物語と結びついて思い起こされます。ひとびとの物語の主軸に食べ物を据える、という難しいミッションを見事に成し遂げたのが、本作の最大の功績だったのではないかと思います。

 

③2020年度上半期 第102作 「エール」

伏線回収‼️

先の見えないコロナ禍に世界が突入していくさなかに放送が開始された本作。窪田正孝さん演じる裕一と、二階堂ふみさん演じる音のダブル主人公制をとった朝ドラです。

主人公のモデルがオリンピックマーチの作曲者ということで、ほんらいはオリンピックを期して放送が開始された作品だったと思われますが、期せずしてコロナ禍の日本に深く寄り添う作品となってしまいました。意図せざる遭遇だったと推察しますが、あの時代に何よりもふさわしい作品だったと思います。非現実的なほど優しくて温かくて愛に満ちたこの作品は、平時に見るともしかしたら少しバカバカしく見えたかもしれない。でも、あの時代には、とてもちょうどよかったのです。

窪田さん芝居うまい…表情の作り方がハンパない…表情の持つ力がすさまじい…福島弁似合いすぎる…😭😭と終始悶絶しながら見ていました。一見の価値あり。

二階堂さんの演じる音の、よくありそうでいて他が思いつかない、唯一無二のキャラクター性も、とんでもないものがあります。

そして個人的MVPは、音の姉・吟を演じた松井玲奈さん。吟の、品のある美しい佇まいと、等身大に歪んだ気丈さの、決してすごく美しいわけではないのに素晴らしいハーモニーに、ずっと魅了され続けた半年間でした。吟!!!!!好きだ!!!!!!!

そして、戦争の描写にも、「令和の反戦物語」(三宅香帆さんのお言葉を拝借)にふさわしい工夫がたくさんちりばめられています。音の母・光子(薬師丸ひろ子さん演)が焼け跡で賛美歌を歌うシーンには、誇張ではなく、ほんとうに、強い訴求力がありました。 

 

さらに、いよいよ個人的な点ですが、高校時代に出会ったぼくの親友は福島県の血の入った東北人でした。だから、全然縁もゆかりもない土地ではあるけれど、僕は東北、とりわけ福島県のことをそれなりに大切に思っています。そしてぼくは沖縄のひと。

エールも、那覇市出身の二階堂ふみさんがヒロインを務め、沖縄出身の92さんを含むメンバーが福島で出会って結成されたGReeeeNが主題歌を担当するなど、東北と沖縄の出会いが盛りだくさんの作品でした。

東北と沖縄、ふたつの大切な土地の結びつき。それはぼくの幸せのちょっとした条件のようなものでした。それが成し遂げられたことも、ぼくがエールに感じる特別な感情の理由の一つです。

 

なんというか、本当に全てのキャラクターがいとおしくて、全てのシーンが愛に満ちていて、大好き‼️なドラマでした。見てくれ…‼️‼️

 

 

以上3作品好き放題語り散らかしました。どれかひとつでも気になった作品があったら、みてくれよな。