鼻ハプスブルクの文章読ませ場

偏屈な腐男子の文を読ませる場

男声耳かきASMR有識者の男が半生振り返ってみた

僕はけっこう有識者体質(嫌な言葉すぎ)なので、色んなものに有識なのですが、今回はその中でも男声耳かきASMR音声をピックアップしてみます。

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そもそも、僕と耳かきASMRの出会いは中3に遡ります(また中3かよ→参考:初投稿記事はじまりの夏――「三上と里はまだやましくない」と僕 - 鼻ハプスブルクの文章読ませ場

当時の僕は、自分のセクシュアリティについて、ありえないくらいガバガバだったので、僕が男の子の方が好きなことは わりとクラスのみんなが知っていたのですが

(そのうえでフツーに楽しく過ごせたのでいいクラスすぎる。そして当時の自分は絶望的に危機管理能力がない😡)

そんななか、男子のオタクグループのなかで耳かき音声が流行り始めました。

かれらは(多分)ノンケなので、普通に女声ASMRを聴いてたんだと思うんですが…

そんなオタク君のうちのひとりが、どーーーしても僕に耳かきASMRを勧めたかったらしく、なんと!男声耳かきASMRを見繕って送ってくれました!

いいやつすぎ。感謝です。

 

それが、(多分。さすがに記憶が曖昧)これ👇🏻。記念すべき人生初の耳かき音声。

▷二條ひらめさん「耳かきサロン」

【耳かきボイス】耳かきサロンで耳かきボイス【女性向け】 - YouTube

今後かなり長いことお世話になるひらめさんとの出会いでした。

未知の快楽にグワーーーーッと呑み込まれ、まんまとハマりまくり、ひらめさんと、その相方・ハマチさんの動画、さらには他の男声ASMRを貪るように聴く…という生活を、その後かなり長いこと続けることになります。

このころは、台本やシチュエーションがあって、お芝居として耳かきをしてもらう…いわゆるシチュエーションボイスを好んで聴いていました。

このころ出会ったシチュボの中で、今でも好きな作品はこちら👇🏻

▷「執事耳かき〜東雲夏井編〜」

【女性向け】執事耳かき~東雲夏井編~【バイノーラル音声】 - YouTube

めちゃくちゃ音がいい。そして、声に変な甘ったるさがなく、ピリッと刺激があって、めちゃくちゃ好き。いい距離感。おれもお嬢様になって執事を侍らせたい。

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さて、それから1年ほどが経った高1の学年末(たぶん親知らずの抜歯したころ)、新たな展開がありました。

それは、雑談ASMRとの出会い。

台本に沿ったシチュエーションボイスとは違い、耳かきと何ら関係のない雑談をしながら耳かきや梵天をしてくれるスタイルの動画です。

いい声の男2人が、僕の頭の両側で、僕に何ら関係のない話を仲睦まじくしながら、両側から僕の耳をいじいじする!!!!

という倒錯した状況に完全にハマってしまい、今度はひたすらこういった音声を聴き続けることになりました。

当時聴きまくっていた、ひらめさんとハマチさんの雑談ASMRのプレイリストを貼ります👇🏻

【ひらめとハマチ】ASMR - YouTube

 

コロナ禍の受験期もこのプレイリストを頼りにどうにか半死半生で乗り切り、いよいよ大学入学となりました。

しかし、大学入学からしばらく経った頃、重大な危機が訪れる!!!!

 

バイト先の先輩と、好きな配信者さんの声が、どことなく似ている気がする……😨😨

 

 

危機です。

僕は耳かきに性的接触とかなり近い性質を見出しているので、身近な人と似ているのは、正直かなりかなり気まずい…ッ!!!

冷静に聞いてみれば、どことなく声の出し方や喋り方が似ている程度で、全くもって似てないのですが、正直これはかなりこたえました。

そこで、中3以来の長きに渡り、かなり狭い範囲に収まってきた僕の耳かきASMRライフも、抜本的な路線変更を迫られます。

 

検索範囲を飛躍的に拡大させ、「男声 耳かき」「女性向け 耳かき」で検索をかけまくり……

結果的に、これまで出会わなかった多くの男声耳かき音声と出会うことができました。

災い転じて福となせた!✌️

そんな亡国の大冒険の中で出会った動画のなかでも特に好きな作品を挙げてみます。

 

いち!

▷羽山太洋さん「怪しい占い師」シリーズ

【ASMR】怪しい占い師の耳かき・耳マッサージ【バイノーラル・女性向け】 - YouTube

これまでに4本ほど投稿されているロングランシリーズです。

めっっっっちゃくちゃ、いい。

怪しい。危ない。

なんか、すべてが、危ない。

狂う。狂わされている。

みなさんもぜひ狂わされてください。

多くは語れません。狂う。🕺🕺

 

に!

▷おなじく羽山太洋さん「帰省風 従兄弟の耳かき」シリーズ

【ASMR】方言従兄弟の耳かき【帰省風】 - YouTube

こちらも年末年始恒例、かなりの本数が上がっているシリーズなのですが、この動画がダントツで好きです。

掃除用具のウェーブで耳掃除する、という狂気じみたパートがあるのがポイントです。

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ウェーブ。なかなかどうして意外といい。

従兄弟っぽい距離感のビミョーな小ボケも満載で◎です。冬に聴きたい。

 

さん!

▷柚子助さん「ウザ絡み系ヒモ彼氏」

【ASMR】ウザ絡み系ヒモ彼氏君はシャンプーがしたい。音フェチ have your hair shampoo by your boyfriend.【ロールプレイ】 - YouTube

大前提として、柚子助さんの声めっちゃくちゃ好きなんですよね……。おれは生涯こういう男の声が好きだ……という声。

この動画はテンポよく、ほどよいイチャイチャ感があり、好きです。耳かきではなくシャンプー音声なので番外編ですが。柚子助さんの耳かき動画も良ですヨ👂

 

そして、よん!!!真打!!!!

これに出会うために今までの耳かきASMR人生があったと言っても過言ではない!!!!究極の!!音声!!!!

▷紡生ムルクさん「東北弁お兄さん耳かき」シリーズ!!!!!!!!

【ASMR耳かき・睡眠導入】東北弁男子が方言でゆったり耳かき【binaural/sleep induction/紡生ムルクJPVtuber】 - YouTube

 

いやーーーー、出会っちまいましたよ……

究極の音声に……

いや、もう、説明のしようがない…

圧倒的多幸。好き。感謝感激雨あられ

ちなみに、(動画についたコメントで言及されてますが)男声耳かき界隈では珍しく、聴き手を女性に限定していないのも、ありがたポイントです。

***

以上、僕の男声耳かきASMR有識者人生を振り返ってみました。

最初は書くことなくね?と思ってましたが、ひとつの趣味を7年も続けていれば、やっぱり色んな歴史があって、いくらでも書けるもんですね。

これまで出会ったすべてのASMR動画に感謝。そして、僕を最初にこの村に突き落としてくれた中3の同級生の彼には、特別大きな感謝を。

これからの人生も男声ASMRととも。

はなはぷでした。 チャオ

 

「先輩、ナカみせて」ドラマCDの感想を絶叫する

去った6月26日…ッ!!!おれが今年最も楽しみにしていた買い物…ッ!!沖田有帆先生原作「先輩、ナカみせて」のドラマCDが…ッ!!!ついに発売されたぞッ!!!!

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ワーーーー!!!!!!!!!!!ウレシイ!!!!!!!!!!!

情報解禁で…受けの春輝役が斉藤壮馬さんって情報が出た段階で「これは勝ちだな…」と思っていました…めちゃくちゃ楽しみだった~😭😭😭

壮馬さんってツンと澄ました上品で知的な印象がありますが、むしろお芝居の面では、ご本人もダメラジで叫びが強み、と仰っていた(記憶がある…?)通り、剥き出しの激しい感情の表現に猛烈な良さ味があると思うので…本当に楽しみにしていました。(おれの斉藤壮馬剥き出し感情への偏愛は、アイドリッシュセブン第3部の、芸能界を追われたTRIGGERが路上ライブを行うシーン、そこでの九条天(cv:斉藤壮馬)の涙を見て以来7年の歴史を持つ、かなり根の深いフェチズムです)

そして無事着荷!ラジカセにぶち込む!再生する!→🎊🎊🎊大勝利🎊🎊🎊

冒頭の「陰キャの発狂キレ」の表現からしてただものではなく…振れ幅の激しい剥き出しの情緒不安定さをこれでもかとぶつけられ続け…すごい体験をした。ほんとうに。ただ聴くのではない、これは、「体験」です。

ほんとうに…壮馬さんの演じる春輝くん…えっちでかわいくてみじめで恐ろしくて…最高でした…。喉の開ききらない声の出し方も…震える声も…ベリーキュートな喘ぎ声も…研究し尽くされたんだなぁ…という…丁寧な職人技を感じました。

泣き声にも喘ぎ声にもすべてに言霊が宿っている(?)。

それはそれとしてシンプルに濡れ場がエロすぎる。すンげ~~。

後半の配信切り忘れ炎上エピソードは、原作のコミックスでも読みながら脳を激しく揺さぶられるというか…情緒を揺さぶられすぎて身体まで動揺するというような、一種トラウマに近い体験をしたシーンなのですが…CDでも想像を遥かに超えるリアルな絶望と恐怖の表現に呑まれて…すごい情緒になりました。

そして、攻めの優希くん(演:沖縄県の星こと熊谷健太郎さん)…包容力と少年性とそこはかとないヤバさの共存した唯一無二の狂気じみた空気感がパーペキに表現されてて、こちらもすンごかったです。

実はガッツリ濡れ場のあるBLCDって買うの初めてだったのですが(なんせ手持ちのCDは三田織先生原作の「山田と少年」だけですし)、これ初でよかったな~と思います。めちゃくちゃ等身大に性的でサイコーでした✌️✌️

とにかくみんなァ‼️

聴くしかナイッショォ‼️‼️

商品紹介ページ↓↓↓

先輩、ナカみせてフィフスアベニュー

(驚異のダイマ‼️)

 

朝ドラの思い出書き散らし

けさ、ふとききたくなり、GReeeeNの「星影のエール」を再生しました。いい曲です。2020年上半期に放送された朝の連続テレビ小説「エール」の主題歌でした。

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ということで唐突だが個人的に好きな朝ドラ3選を発表する‼️心して読むがいい‼️

そしてNHKオンデマンドの見放題プランに加入し、浴びるように見るがいい‼️

 

①2011年度下半期 第85作 「カーネーション

リアルタイムで見たのは小3のころでした。当時もかなり強く感情を揺さぶられ、印象に残っていたのですが、それ以上に、中盤、第二次世界大戦中のつらすぎる展開に母親がダウンしていた印象の方が強いです。おかあさん〜〜〜

ともあれ、それから6年以上が経ち、高校に入学した頃。NHKが新たな朝ドラ再放送枠を設け、その第1弾として「カーネーション」の再放送が始まりました。

明確に自我をもってカーネーションを見たのはこれが初めてだったので、主にこの時の記憶を頼りに書こうと思います。

 

以下、強めに印象に残っている点をふたつ。

世間一般的にも散々評価されているシーンではありますが、濱田マリさん演じる「安岡のおばちゃん」がヒロイン・糸子に「あんたの強さは毒や」と言い放ち絶縁を言い渡す回。

ひとの心の強さ弱さには個人差があること、それは努力だけではどうにもならないこと、弱いからといって必ずしも強くなるべきではないこと。そして、強いひとは、その気がなくても弱いひとを傷つけるものだということ(とうぜん逆もあるだろうし、強いひとが強いひとを傷つけることも、弱いひとが弱いひとを傷つけることもあると思いますけれど)。

そういう当たり前の事実が激しい悲劇性をもって襲いかかる、凄まじいシーンでした。

そして、個人的にはやはり、ヒロイン・糸子と、その父・善作の関係が強く印象に残ります。小林薫さんの演じる、優しいだけでもなく、かといって横暴なだけでもなく、正しくないところもたくさんあって、不完全で、でも強い愛情を残してゆっくりと去っていく父親像は、父親として決して100点満点ではないけれど、とても秀逸なものでした。

 

②2013年度下半期 第89作 「ごちそうさん

いまや因縁の作品となってしまった本作ですが、個人的には、朝ドラというものの役割・意義を考えると、ぶっちぎりの最高傑作だったのではないかと思います。

まず、テーマの一貫性。15分ごとの細切れに放送され、じゅうぶんに没入して視聴することのかなわない朝ドラにとって、これは大事なことです。

この物語の真ん中には、必ず食べ物がある。多少目を離して戻ってきても、食べ物の話をしているということがわかる。そしてすんなりと物語の世界に復帰する事ができる。これはとても大事なことです。

そして、食べ物への飽くなき愛情。この作品における食べ物は、ただの消え物ーー小道具ではありません。れっきとした主題なのです。

心をむすびつけるスコッチエッグ、中学野球のトーナメントに書き込まれたカツレツ、疑心暗鬼を解くカレーうどん、空襲で炭になった鶏鍋、敗戦の象徴として描かれるローストビーフ…たくさんの食べ物の存在が、物語と結びついて思い起こされます。ひとびとの物語の主軸に食べ物を据える、という難しいミッションを見事に成し遂げたのが、本作の最大の功績だったのではないかと思います。

 

③2020年度上半期 第102作 「エール」

伏線回収‼️

先の見えないコロナ禍に世界が突入していくさなかに放送が開始された本作。窪田正孝さん演じる裕一と、二階堂ふみさん演じる音のダブル主人公制をとった朝ドラです。

主人公のモデルがオリンピックマーチの作曲者ということで、ほんらいはオリンピックを期して放送が開始された作品だったと思われますが、期せずしてコロナ禍の日本に深く寄り添う作品となってしまいました。意図せざる遭遇だったと推察しますが、あの時代に何よりもふさわしい作品だったと思います。非現実的なほど優しくて温かくて愛に満ちたこの作品は、平時に見るともしかしたら少しバカバカしく見えたかもしれない。でも、あの時代には、とてもちょうどよかったのです。

窪田さん芝居うまい…表情の作り方がハンパない…表情の持つ力がすさまじい…福島弁似合いすぎる…😭😭と終始悶絶しながら見ていました。一見の価値あり。

二階堂さんの演じる音の、よくありそうでいて他が思いつかない、唯一無二のキャラクター性も、とんでもないものがあります。

そして個人的MVPは、音の姉・吟を演じた松井玲奈さん。吟の、品のある美しい佇まいと、等身大に歪んだ気丈さの、決してすごく美しいわけではないのに素晴らしいハーモニーに、ずっと魅了され続けた半年間でした。吟!!!!!好きだ!!!!!!!

そして、戦争の描写にも、「令和の反戦物語」(三宅香帆さんのお言葉を拝借)にふさわしい工夫がたくさんちりばめられています。音の母・光子(薬師丸ひろ子さん演)が焼け跡で賛美歌を歌うシーンには、誇張ではなく、ほんとうに、強い訴求力がありました。 

 

さらに、いよいよ個人的な点ですが、高校時代に出会ったぼくの親友は福島県の血の入った東北人でした。だから、全然縁もゆかりもない土地ではあるけれど、僕は東北、とりわけ福島県のことをそれなりに大切に思っています。そしてぼくは沖縄のひと。

エールも、那覇市出身の二階堂ふみさんがヒロインを務め、沖縄出身の92さんを含むメンバーが福島で出会って結成されたGReeeeNが主題歌を担当するなど、東北と沖縄の出会いが盛りだくさんの作品でした。

東北と沖縄、ふたつの大切な土地の結びつき。それはぼくの幸せのちょっとした条件のようなものでした。それが成し遂げられたことも、ぼくがエールに感じる特別な感情の理由の一つです。

 

なんというか、本当に全てのキャラクターがいとおしくて、全てのシーンが愛に満ちていて、大好き‼️なドラマでした。見てくれ…‼️‼️

 

 

以上3作品好き放題語り散らかしました。どれかひとつでも気になった作品があったら、みてくれよな。

 

 

性教育の遅れ自省お兄さん

お久しぶりンゴねえ~~~~~(最悪の挨拶)

「子どもの頃の勘違い」――使い古された定番のトークテーマですが、ぼくも一つ壮絶な勘違いを思い出したので書いてみます

 

それは……!

 

それは…………!

 

「性行為は子どもができることの必要条件ではない」です。

 

衝撃。

 

このロジックはこうでした

⇒性行為はしてもしなくても、機が満ちれば子どもはできるので、やりたきゃやればいいしやらないで済むならそれでいい

……不可解です。

 

性交と生殖を関連付ける程度の知識はあるのに、その直接の連関は否定するという、なんとも微妙な段階の認識です。不可解。

ですが、今思うと、そこにひとつ明確な動機がみえてきます。

それは、自分の両親の間に性行為があったことを否定したいという欲求です。子どもの誕生に性行為が関連しうることは別に否定しないけれども、直接生活をともにする実の両親の性行為は否定したい。そういう知識と感性の間隙にうまれたのが、この勘違いだったのだな、と思うのですね。

 

親を、自分とは明確に切り離された他個体の個人として認識するタイミングは、人それぞれあるのではないかと思いますが、ぼくにとって、そのタイミングは、この勘違いから解放されたときだったのだ――と思います。

 

自分が両親の性行為の産物であることを認められたとき、人は、大人になったりするのかもしれません。

ジャワティのみたい――土曜日札幌徘徊禄

ジャワティのみたい!ジャワティのみたい!!ジャワティのみたい!!!

どうも、鼻ハプスブルクです(あまりにも冗長なので適当な簡潔名シンプル・ネームに変えたいところ)

ジャワティってこの世の紅茶飲料の中で最もおいしい、と言おうとしましたが、もはや比較・評価ができない程まで味を忘れてしまっている。最後に飲んだのはもう10年近く前な気がします(医師の父が大塚のMRからもらってきた、とかでした)。ジャワティを、のみたい。

さて、今回は趣向を変えて土曜日の日記です。実質3回目にして新機軸導入という事になり、先が危ぶまれます。

9:30 起床(1回目) 目覚ましも掛けなかったにもかかわらず「朝」らしい時間に起きられて狂喜。しかし起き上がるまでに至らず、惰性で(とくに眠くもないのに)再入眠。

12:30 起床(2回目) 寝すぎて不調。よってしばらく起き上がる気にならず、布団の中でTwitterやpixiv等閲覧してやりすごす。

13:15 起床(物理) ようやく布団から脱出。台所に向かい、湯を沸かし、朝食の支度を始める。餡子が冷たいままだと固くてパンに塗りづらく、先日は食パンの表面が陥没して不愉快な思いをしたため、一工夫してバターと一緒に20秒レンチンし、練って伸ばしておく。結果、トーストの表面にもスンナリ塗れて大勝利。

13:30 朝食 先述の自家密造あんバター・トースト(「本仕込」5枚切り)・目玉焼き1玉・ソーセージ2本・レタス・トマト半分・キウイ半分・ヨーグルト(よつ葉乳業「十勝生乳100 しっかりなめらか」)・ミルクティー

⇒独居大学生の献立ではない

14:30 pixivコミックで「働かないふたり」を読む。お兄ちゃんと戸川さんが河川敷で本を読む回(#858「外読書」)があり、憧れる(チョロすぎ)。

https://comic.pixiv.net/viewer/stories/38447

昨晩ひょんなことからジャワティのことを調べて飲みたい気分になっていたこともあり、「そうだ、豊平川の河川敷でジャワティ飲みながら本を読もう」と思い立つ。

16:00 出陣 所持品:三浦しをん氏の『月魚』、財布、携帯、イヤホン、家の鍵。ジャワティは今時そんじょそこらの小売店では売っていないので、ドラッグストアやコンビニ、カルディ、ドン・キホーテなど手当たり次第に物色しながら豊平川を目指すが全く出会えず。とうとう妥協してほうじ茶を買う。敗北の味。しかし美味。

敗北のほうじ茶(美味)

通販で買うしかないのかしら。札幌でジャワティーを販売しているところがあったら何卒教えてください。心の底から賛美して感謝します。

17:00 豊平川到着。西岸の護岸上に陣取る。フード引っ被って寝っ転がるとちょうどいい感じ。高層マンションの日陰になっていたが、気温も高かったので快適。

やけに空が高くて青い。高層ビルの遥か上を飛びかう鳥などが見える。あんなに高く飛んでどうするのだろうか。もはや虫とかいないだろう。何が見えているんだ。よくよく考えると不可解である。鳥になりたいという百人並みの欲望は、僕にだってある。

『月魚』を開くと、栞がわりのカレンダーカードが挟まっていた。先月あたりに本編は読んでしまったらしい。後半に収録された外伝「水に沈んだ私の村」「名前のないもの」を読むことにする。月魚はやはり、めちゃくちゃいい。そう、僕はせなましの民。

(中学時代からの付き合いになる古参勢も多く跋扈する我が家の本棚にあって、大学3年になって出会った『月魚』は付き合いが浅い部類に入るが、すでに4周くらい読んでいます。ハマりまくりである。そのうち別稿で布教を)

『月魚』

 

18:15 日が傾いてきて西岸は寒くなってきたので、東岸に移ることにする。たどりついた東岸の護岸にはちいさーい赤い虫が無数にうごめいており、あまり座りたくない。しばらく立ち歩きながら本を読む。

18:45 河川敷離脱。市街地に戻る。

19:20 夕食。「みよしの」。みよしの盛カレーとコールスロー。札幌で一番愛している。実家に帰れない状態で最後の晩餐を迎えるとしたら、僕はこれを食べます。

僕の愛はここにある

19:40 大通公園。噴水を呆然と眺める。近代日本の見果てぬ夢、公園都市。いい街だ。

いい夜でした

20:15 スマホの充電が危なくなってきたので帰路につく。

 

……といったような1日でした。移動経路がむちゃくちゃすぎて、行動をここまで詳らかにしても住所を特定できないのが怪我の功名。本当に何もしていないな。

札幌に住んで3年ちょっとになりますが、やっぱり僕はこの街が好きだぜ。

さっぽろ、らぶ。

中学生時代から徘徊癖がありましたが、大学に入ってからますます激化しています。このまま年取ったら本当に大変なことになりそうです。自制したいもの。

また会いましょう。

だって「きみに全部あげる」って言ったじゃないか

やあどうも。

ジュディス・バトラーに脳を灼かれてBLやAVの消費場面における読みかえや再解釈について壮絶な机上の理論構築を行ったものの、卒論ゼミで教授に「日常の読書場面でそんなこと考えるのお前だけだろ」(意訳)と至極真っ当なツッコミをいただきました、こんにちは。

やはり持つべきものは老人の指導教員ですね。カルチュラル・スタディーズってのは難しいもんだなあ。(とりあえず真面目に社会学をやれ)

 

で、実際自分がBのLを読む時に、そんな深く何かを考えているか?と言われると確かに考えちゃいないんですね。

萌えるか、萌えないか、少しモヤモヤするか、スッキリ読み切れるか(このモヤモヤとスッキリは結構重要な気がしなくもないですが)くらいの原始的な感覚しか抱いていないなぁ、と。

その点でやはり、教授の指摘は僕にとっても正しかったわけです。

たとえば、

某作品の公式は明らかにABなのに、なぜお前の推しカプはBAなのか?理論的に説明せよ

と言われましても返答に窮するわけです。

だってAたん受けなんだもん…としか言いようがない。

だって……「きみに全部あげる」って……「僕のなかにはきみがいる」って……言ったじゃないか……Bから奪ったものを、しっかり受け入れたんじゃないか……としかいいようが、ない。

いや、若干根拠がましいことを言いましたが、これも実際は後付けにすぎなくて、ほんとうに、何も考えずに、僕の中では、ABではなくBAだったのです。

うちの教授はサブカルには疎いですが、激・鉄道オタクなので、おそらくこのへんのゴタゴタにも詳しいと思われます(鉄道擬人化作品の話をしていたのだ‼️)。

ABなのかBAなのか。見解を伺いたいところです。

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(研究室に唯一あったそれっぽいエリアの路線図です)

直感的に左右を決められる(決めてしまえる)スキルが、僕があまりにも長くBLの支配的な規範に浸かって生きてきたがためにインストールしてしまった思考的拘束なのか、それとも内在的なものなのか。これを突き詰めることにはひとつ意義があるような気がしますが、社会科学として成立するかー?というとびみょっすね。

「ゲイ向け寄りのBLは軽率にリバる」みたいなことも肌感覚では言えるけれども、なかなか。なかなか。

 

思考の垂れ流しでした。ごきげんよう

 

はじまりの夏――「三上と里はまだやましくない」と僕

 僕のオタクとしての自我は、中学3年の夏休み――2017年の夏に芽生えたんだと思います。オタク・キャリア自体は中1で始まったのですが、自分なりの選好とか主張とか、そういったものをはっきりと携えて、読むもの、見るもの、ひいては”愛するもの”を選び始めたのがその時期ではないか、ということです。

 そんな夏を振り返るとき、かならず思い出される作品が、鶴亀まよ先生の『三上と里はまだやましくない』です。出会った2017年夏から2022年初春の完結までの約4年半――高校入学から卒業、大学受験、大学進学、コロナ禍――あまりにも長くて、あまりにもたくさんの変化にさらされた歳月を、僕は、『三上と里』とともに歩むことになりました。

キンパが里で茶髪が三上です

 男子校(個人的には全寮制じゃないのがミソだと思っている)の寮でルームメイトとなった三上勇斗と里涼一がほんの思い付きでキスしたところから話が始まり、すれちがい、怒り、悲しみ、嫉妬し、喧嘩し、笑い、喜び、好きになり、そして高校卒業までの日々を過ごしていく――身体の距離と心の距離のバランスと、ふたりなりの幸せ……というか「いい方」をマジメに探って作っていく――そんな物語だと思っています。全てが解決する「ベスト」ではなく、その場その場の「ベター」をその都度探っていく実直さが通底している、という感じでしょうか。

 この作品について僕は「なぜ好きなのか」ではなく「なにを好きになったのか」を、語ることになります。『三上と里』にはじめて出会ったとき、僕はまだ趣味も人格も愛するものも道理も何もわからない――何者でもない存在でした。ゼロベースで「僕」を構築していく大工事の、ずいぶん最初の工程に現れたのが、『三上と里』だったのです。『三上と里』を読むという体験を土台に混ぜ込みながら、僕の自我はできていったのです。あらかじめ自我があって『三上と里』を好きになったのではなくて、『三上と里』を好きな僕が、僕になったのです。

 

 当時の僕にとって、三上と里は2歳上の「お兄さん」たちでした。(連載が終わる頃にはずいぶん年下になりましたが)

 三上の、プラスの感情もマイナスの感情も全力で体験する、まっすぐマジメにバカなところ(けなしてないよ)は、当時すでにひねくれの道を歩みつつあった僕にとって、少しだけ眩しく感じられました。

 いっぽうの里は、おおざっぱに括れば「男前クールキャラ」ということになるのですが、それでは何かを取りこぼしている気がするというか……彼はどこまでもどこまでも「ふつう」なのです。

(「ふつう」という言葉は容易に暴力に転じうる言葉なのであまり使いたくないのですが、里に感じる愛おしさをもっとも的確に表現する言葉が、いくら考えても「ふつう」なのです)

 テンションは低いけれど、人並み外れて冷血なわけでもない。人への情も愛も、彼なりにちゃんと持っているし、マジメに示している。そして、嫉妬だとか寂しさだとか、心地いいだけではない感情もそれなりに持ちあわせている。そんなことが、どうしようもなく愛おしいのです。

 彼らはどこまでも未完成です。感情も人格も未完成で、不完全で、不安定で、何もかもがすんなりとはいかない面倒な日々を、マジメに、その都度ちゃんと感情を体験しながら、そしてその感情を行動につなげたり、つなげなかったりしながら生きています。それがどうしようもなく心に残りました。

 特に、普段低体温ぎみな里がたまに見せる、不安定な感情のゆらぎは、鶴亀先生の描写の緻密さも相まって、本当にすばらしいものがあります。

 この作品を通じて僕は「なにを好きになったのか」――それは、ひとつずつマジメに感情を体験していく、そのたびに人生をベターな方に微修正していく……そんな、生きることに対する実直さだったんだと思います。

 

 以下すこし、具体的な印象に残ったシーンやエピソードについても語ります

 2巻に収録された進路選択のモヤモヤをめぐるエピソードは、大学受験が全部終わった2021年になってから読みました。沖縄の進学校出身の僕としては「大学進学=別れ」というのはあまりにも当たり前の事実で、離れ離れになることがお互いの成長のためで……それでもやっぱり受け入れたくない事実でした。そういう悲しみや悩みやモヤモヤを、高3になった三上と里もマジメに体験してくれたこと。それが、無性に嬉しかった記憶があります。

 全然違う世界で違う人生を送っている三上と里だけど、僕の感情を、彼らの感情を、取り落とすことなく生きてくれているのです。

 あとは、ゲイのサブキャラ・あかりに対する三上の言葉が、その後の人生を生きていくうえでシンプルに救いになりました。

 「男が男を好きになるって 普通のことじゃないんだよ」と自嘲気味に言うあかりに「おまえ 言われたのか そんなこと 誰かに」と、ただ傷ついた悲しんだ顔で返してくれた三上も、「なんでお前が謝るんだよ」「会ったばっかのやつに男が好きとか女が好きとか言わねーだろ誰も」と吠えてくれた三上も――

 ―――三上を突き動かしたのは、「友達が傷つくのを見たくない」という単純なエゴかもしれない。それでも、その言葉が、あかりの、そして僕の、何よりの救いになった。社会も世界も変わらなくても、ひとつひとつマジメに感情に対峙した三上が、こういう言葉をかけてくれたこと。それがどうしようもなく大事な思い出になった。そういう、大切な言葉たちです。

 

 陳腐な言葉になりますが、あの夏『三上と里』に出会っていなかったら、今の僕はいません。ほんとに。出会ってくれて、ありがとう。大好きだ!

 

www.b-boy.jp

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